2012年 06月 07日
どうも。きむらです。 何だか、最近の更新といえば誰かの訃報ばかりという気がしますが、今回も訃報です。 レイ・ブラッドベリというとやはり創元社文庫ですよね。 結構味気ない白い背表紙、黒字に一字だけ赤いタイトルがレイ・ブラッドベリの本の特徴だったように記憶しています。 あまり目立ったベストセラーだったワケでもないのに、いつも本棚の一角を占めていて、しかしながら「ウは宇宙船のウ」とか「スは宇宙のス」とかタイトルがちょっと奇抜過ぎて何度も手には取るものの買う決心がつかず、 で、何度目かに「おっしゃあ」と買ってみたら、予想を大幅に上回る面白さだった。 どうしてあんなに読むのに躊躇したのか不思議なくらい。 それがレイ・ブラッドベリの本との出会いでした。 高校生のときには、ちょっと粋がって原書を買って読んでみたりもしたんですが、英語だと単語をブツブツと区切って読む感じで、どうにもこうにも日本語で読んだときのように面白いと思えませんでした。 ま、当時のきむらの英語力のせいなんだろうとは思うんですけど。 原書(というか、翻訳が出るのが待てなかったんです〜)で読んだのは'I Sing the Body Electric'と'Long After Midnight'で、後者はどこかの大学の英語の課目の教科書として売られていました。 「そこの大学の学生じゃない人が買っちゃったら、あぶれる人がいるかなぁ」なんて心配になりましたが、自分が大学生になったら、大学生はあまり教科書を買わないということが分かって安心しました(笑) その後は他の出版社から出ていたハロウィーン関連の短編集(確か「恐怖のハロウィーン」だったと思うんですが)の中にひとつ入っていたのを読んだぐらいでしょうか。 ああ、あと、萩尾望都が「ウは宇宙船のウ」を漫画化してましたね! 文章で先に読んで自分の中におぼろげなイメージがあったものを後にくっきりしたビジュアルイメージになった漫画として改めて読むのはとても不思議な感覚でした。 そして去年。 前の前の年(!)に貰ったプリペイドの本のギフト券を置きっぱなしにしていて、もう期限がヤバいというので慌てて本屋に引き換えに行きました。 そのとき特にベストセラーの中で欲しい本がなく、かといってそのままギフト券を無駄にしてしまうのも惜しいので店の中をウロウロしていたら、一冊の本の背表紙が目に入りました。 RAY BRADBURY Stories Volume 1 短編が100も入っているブラッドベリの作品集でした。 全956ページ。凶器にもなりそうなぐらい分厚い本です。 迷わず購入決定。 (ギフト券の倍ぐらいの値段でした・・・) よっぽど嬉しそうに見えたのか、お店の人に 「これ、Volume 2も出てますよ。もしよかったら注文しときましょうか」 と言われましたが、 「この本厚いから、読み終わってからにします。作者まだ生きてるからこの後も続刊あるでしょうし〜♪」 なんて返事をしました。 もう90歳超えていたなんて、そのときは思いもしませんでした。 まだ、この本全然読めてませんが、絶版になったら怖いからVolume 2も買ってこようかな・・・。 (蛇足) 奇しくも、こちらではここのところSBSで'Prophets Of Science Fiction'というドキュメンタリーをやっています。タイトルを日本語訳すると「SFの予言者たち」という感じでしょうか、SF作家が作品内で描いた世界がいかに実現化したかを映画監督リドリー・スコットの解説付きで検証するという、ものすごく面白い番組です。 きむらも相方もSFが好きなので、放送中は食い入るようにTVを見、CM中はあーだこーだと過去に読んだSFの本や映画の話をするのですが、そのときに 「そういや、ブラッドベリ、この番組で取り上げられてないね〜」 などと話題になりました。 確かに他の作家(Mary Shelley, Philip K. Dick, H.G. Wells, Arthur C. Clarke, Isaac Asimov, Jules Verne, Robert Heinlein, George Lucas←何かひとり違うのが混じってますが(笑))と比べるとブラッドベリはバリバリの硬派SFというより幻想系SFなのだろうと思います。 (蛇足の蛇足) 読めもしないのに洋書を買っていた学生時代。 きむらは毎年神田古本まつりに行ってましたが、そのときも洋書の専門店で大幅割引になった本をまとめ買いしておりました。 ですが。 「ブラッドベリの原書も買ったぜ〜」 などと、家に帰ってホクホク顔で戦利品を整理していたら、ぬわんと、 Bradburyではなく、Bradley (Marion Zimmer Bradley)でした。 ま、背表紙はちゃんと見ときましょうってことです(恥)
by kaoru_oishi
| 2012-06-07 22:28
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