カテゴリ:第2部以降の小説閲覧( 6 )

2014年 11月 10日
ちょっと仕様を変えてみました
どうも。きむらです。

今日、思い立ってブログの仕様をちょっと変えてみました。

・・・・・・。
ええと、普通に見ただけでは何ら変わりありません。
10年前に始めたときとほぼ同じ「新月倶楽部」です。

(逆に言えば、10年休止することなく続いているブログがその間まったく同じデザインのまんまというのも、それはそれでスゴイような気もしますが・・・)

違いは、といいますと。

サイトページの右側にメニューがあって、そこにブログのカテゴリーがズラズラズラっと並んでいるのですが、その中の小説(The Delicious Boyのことです〜♪)の章のところが・・・・・。

第1部以外「ファン限定公開」になったのです〜。

って、それだけ(笑)

いや〜、宣言せずにただ設定を変えておいてもいいのですが、万が一、昔なじみの読者さんが何かの拍子に「あ〜、そういや、ここに小説、あったよな〜」と訪れたときに、それが予告なしに見られなくなってたらイヤかな〜と思いまして。

ただの気のまわしすぎかもしれませんね。
小説目当てに来る人、いないかもしれない、いや、恐らくいないのに(笑)

しかも。
ここだけの話ですが、今「きむらブログ」にファン登録している読者(訪問者)もいません。

では、なぜ、ファンがいないのに記事をファン限定公開にするのか?

それは、まあ、きむらの気持ちの問題だと思うのですが「ファンに公開する」のほうが「非公開」より言葉のニュアンス的に柔らかそうに感じたもので。

「見えない」けど「絶対見えないワケではない」的な。

取り外し可能なモザイクをかけてみた、と考えるのが一番近いかも(わはは)

まあ、これも例の「きむらの野望(笑)」の一環ですので、どうかご了承ください。
野望がついえた暁には、速攻で元の仕様に戻します〜♪

以上、小説閲覧についての最新情報をお届けしました。


(蛇足)
そして、仕様を変える作業をしていて気がつきました。

きむら、小説をアップするときって、オマケのようにいつも何か短いエッセイを投稿部分の冒頭に付けてたんですよね。

たぶん、小説目当てで来たのではない読者さま向けに。

ですので、小説を実質的非公開にしてしまうと、当然その投稿内のエッセイ部分も一緒に読めなくなってしまうのでした。

現在のきむらより過去のきむらへ一言。

なんておポンチなっ(呆)

ま、ですけど、エッセイはまーだまーだあります。

今、総記事数を数えたら全部で605もありましたので、小説関連投稿分を抜いても500以上は余裕で残っているはずです。

今日から毎日読んだとしても1年半は保ちますから「きむらの野望」の結果を待つ間の時間つぶしにはもってこいですね(笑)


(蛇足の蛇足)
これも、まあ、何かこっ恥ずかしくて書きたくないですが、一応、重ねて書いておきます。

「今まで一般公開していた部分も含め、きむらが書いた小説・プロットの無断使用及び転載・転用を禁じます。なお著作権が著しく侵害されたと見なされる場合は日本国の著作権法に基づき法的措置を取る可能性があります」

簡単に言うと「盗っちゃダメよ」という意味です。

ま、最悪の事態が起きないよう前もって警告しているだけですから、こう書いてあるからって、きむらがおっかない人間だと思わなくていいですからねっ(必死)
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by kaoru_oishi | 2014-11-10 18:55 | 第2部以降の小説閲覧
2014年 08月 19日
小説についての真面目な話(後編)
どうも。きむらです。

このブログの小説をどうするかについて「書く書く〜」と言いながら、例によってダラダラと引き伸ばしてしまいました。

完全な書く書くサギです(笑)

しかも、間に「ブログ開設10周年記念特別投稿」なんてはさんでしまいましたし。

ですが、このまま宙ぶらりんにしていてはブログ開設当初ライブで読んでくださっていたみなさんや、小説投稿を中断してから見つけてくださったみなさんに申しわけないと思いました。

なので、ここではっきりと今後のことについて書いておこうと思います。

いろいろ考えた結果なのですが、きむらは今後「きむらブログ」で「The Delicious Boy」の続きを投稿しないつもりです。

もちろんこの小説は完結まで書く予定ですが、掲載は小説の専門サイト上で行うか、あるいは文学賞に応募しようと思っています。

ですので、現在ニュースレター送付用にメールアドレスをいただいている方には後日きむらからお詫びのメールをお送りし、今後の新規送付依頼はお断りするつもりです。

本当に何年もお待たせしてすみませんでした。

ちなみに今までに掲載してある分は、きむらがこの小説を書いたことの証明用に、削除せずそのままこのブログに置いておくつもりです。

さ〜て。
これから忙しくなりますねっ!
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by kaoru_oishi | 2014-08-19 23:37 | 第2部以降の小説閲覧
2014年 06月 30日
小説についての真面目な話(前編)
どうも。きむらです。
先月「気温が下がったら頭を冷やして真面目にブログに取り組もうと思っています」といったそばからこのザマであります。

6月に入ってシドニーは急速に冷え込みました。
が、しかーし。
先月の時点ではうっかり公約しちゃいましたが、気温は下がっても頭が冷えることはありませんでした。

だって。
W杯サッカー、始まっちゃいましたし〜。
ワラビーズは、きむらがひいきにしていたムーアが負傷で抜けた分、何と22歳のマイケル・フーパーが急遽キャプテンとなってチームを率いるという、前代未聞のハプニングにも関わらず対フランス戦で大健闘しましたし〜。
もう、頭、沸きっぱなしでしたから(笑)

ということで、またしてもやっちまった月末駆け込み投稿の言いわけはこれくらいにして。

いよいよ来月でこのブログも開設10年になることですし、きむら、ここでひとつ、数年来塩漬け状態にしていた案件をどうするかはっきり決め、それについてお知らせしておこうと思います。


今を去ること約10年前、きむらは当時の友人に勧められて「新月倶楽部」なるブログを始めました。

これです、このブログです!

もう最近では自分でも「きむらブログ」と呼ぶことに慣れてしまい、こうやってブログの正式名を書くのも数年ぶりだったりします。

そして。
このブログの開設目的は、その年にきむらが突如書き始めた小説をネット上に発表することでした。

自分が書いた文章がネットに出る!
しかも小説が!

今、振り返ると、ブログデビューがきむらにとってその年の最大イベントだったと言ってもいいかもしれません。

そんなこんなで、きむらは2004年の残りをひたすら小説を書き、ブログに投稿して過ごしました。

しかし。
章が進み、話が展開していくにつれ、きむらは小説全部をネットに公開することにためらいを感じるようになってきました。

その辺の事情は以前書いたお知らせにあるので、詳しくはそちらを読んでいただきたいのですが、いろいろ対応策を考えた末、きむらが出した結論は

「ネット上での公開は部分的にして、残りは希望者にニュースレターのようにメールで送る」

でした。

当時は同じようなことをしている人が他にたくさんいましたし、こうすれば全部を無料・無条件でネットに出さず、本当に続きを読みたい人に見せることができると思いました。

そして、きむらはしばらくこの方法でごくごく僅かな読者のみなさんに「The Delicious Boy」のニュースレター版をお届けしていました。

しかし、うまくはいかないものです。

それを始めてしばらくしたころ、きむらは不注意でニュースレター送信用の無料メールアカウントを無くしてしまいました。
頻繁にアクセスせずにしばらく置いていて消去されてしまったのです。

これで大部分の読者の方のメールアドレスやいただいていたファンレター(てへっ♡)も失いました。

そして。
気を取り直して続けようとしたのですが、こちらからの送信記録も残っていないので、どなたに何章のどこまで送ったかも分からなくなってしまいました。

きむら、ここで詰んでしまいました。

運の悪いことに、ちょうどそのころ仕事場でも交友関係でもいろいろ考えさせられるような出来事が続き、その結果、きむらはしばらく小説を書く気力がなくなりました。

そのため「小説をブログから遠ざけ、自然に書きたい気持ちが戻ってくるまで待とう」と、以来比較的軽く書けるエッセイを投稿しながら日々を過ごしました。

7年近く(汗)

幸い、小説を書く気力は戻ってきたのですが、いったん席を外してしまうと今度は投稿する勇気がなくなり、ただ書いては自分で持っておくようになりました。

( ゚д゚)ハッ!

もう、7月になってしまうっ!!

取り敢えず、これは「前編」ということにして、続きは来月に書きます。
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by kaoru_oishi | 2014-06-30 23:44 | 第2部以降の小説閲覧
2006年 08月 13日
感謝感激雨あられ、おせんべ
どうも。きむらです。
うすらうすら勘づいてはいたものの、つい現実逃避して気づかないふりしていましたが。もう2か月半になってたんですね、小説更新をサボりだしてから。
あああああ〜(汗)

振り返ってみると、どうも6月がいけませんでした。
月の最初の10日ほどが個人的にものすごく忙しく、それが終わって気が抜けたときに、ちょうどいいタイミングでサッカーW杯が始まったものですから。
もろ、熱狂の波に乗って大騒ぎしてしまいまして。

いや〜、楽しかったな〜(← 反省の色なし)

そして、7月。
遅れを取り戻すどころか、きむら子供のスクールホリデーに突入して、ますます小説から遠ざかる日々。しかも、時間がちょこっとあるときにも頭が小説モードに切り替わらないもんで・・・・・代わりにまめにブログを書いてました(笑)

その間、Bledisloe Cup が始まって Wallabies は負けるわ、Tri Nations も始まるわ、そして8月に入ったら「Australian Idol」(今年で4年目の新人歌手発掘用オーディション番組)まで始まるし。
まったく、TV見る時間を作らなきゃならないじゃないのっ(← おポンチ)

でも、これだけダラダラしてしまいましたから、もうそろそろ書かなければな〜という気になってきています。そして、同時にストップしていたブログの小説更新とメルマガ発送も再開しなければ! という気にも。

現在のところ、小説のほうは20章まで出来てまして、21〜27章をだらだら書きながら平行して Intermission#6〜10もつまみ食いのように書き足しています。
つくづく、とてもプロではやっていけない生半可なやりかただと思っとります。
でも。
ま、いいや、プロじゃないっすから(笑)

で、その小説なんですが。
今、アップしている辺りは2004年の年末ごろに書きました。そして後続の章は翌年2005年に書いたものです。
・・・・・なんですけど。
何というか、小説に書いた内容が、ちょうど今、話題になってることとかぶってるんですよ。
「プロ野球の衰退」とか。
「ボクシング」とか。
だからちょっと困っとります。
「もしかして、この人、カ○ダがモデルぅ?」なんてことになりそうで。
ですが、これはフィクションであって、実在のボクサーをモデルにしていませんから、お読みになるときにはどうかイメージなさらぬようお気をつけくださいませ。
(ちなみに、きむらは例の「疑惑の対戦」は見ておりません)

ま。
「うっかり○メダを思い浮かべながら読んでしまったが、それでもちゃんと読めた」ということでしたら、それはそれで非常に喜ばしいんですが。

ということで。
小説の更新が止まっていたので心配してくださってたみなさま。
ありがとうございます。

「小説は読んでないよ〜ん」というみなさま。
引き続き「きむらのおポンチブログ」をお楽しみ下さい♪
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by kaoru_oishi | 2006-08-13 23:54 | 第2部以降の小説閲覧
2005年 01月 28日
第2部以降の小説閲覧方法 ーお知らせー
どうも。きむらです。
今日もすんごく暑いです。
って、話題が違うんだよー!

ええと、本題に入ります。
すっきりした考えがまとまらないままに、つい、ズルズルと先延ばしにしていた小説「The Delicious Boy」の今後の掲載方法についてですが、もう年明けちゃいましたし、結論を出さなければならないと思います。

って、書いていて、何だかこっぱずかしいです。
だって、ごくごく少数の方々(おポンチ部門の常連さん)以外からは小説についてのフィードバックをもらってませんので、それなのに自分であれこれ考えていろいろ言うのは、何だか鏡に向かって百面相をしている気分なんですよ。つまるところ、自分一人でジタバタしているような。
でも、小説をアップしたときのアクセス数のほうがおポンチ話よりはるかに多いことを考えると、誰かは来て読んでいるわけなんですよね。
だからこのブログは、鏡は鏡でもシークレットミラーであって、きむらのおポンチな一挙一動がしっかり見られているのだと思うことにします。

では、恥ずかしさをこらえて書きます。
The Delicious Boyは現在執筆中の長編小説で、今のところ、全35章を予定しています。(2005年1月現在、18,19,20章とIntermission#6,7,8,9を同時進行で書いているところです)
白状すると、書きはじめたころは「適当な分量になったら小説賞に応募しよっかな〜♪」などと思ってました。
しかし。
書けどもかけども終わりません。そして、ストーリーラインが明確になってくるに従って、これは大長編の様相を示してきました。
ですから、今は特定の小説賞は狙わず、とにかく体裁を整えて出版社にアプローチしようと思っています。(第1部は完成しているので、それを見本として出版社に送付することも準備中です)

そして。
この計画を念頭に置くと、第2部以降の掲載は第1部より慎重に行わなければならない気がしてきました。
この小説は第2部から舞台が変わり、新しい時間軸、新しい登場人物の参入で第1部とはずいぶん違う展開を見せます。あまりここで書くとネタばれになるので、控えておきますが、第2部ではリアルさを追求するがゆえに避けられない描写や、万人向けかどうか分からない世界観が出てきます。

それから、もうひとつ。
これはきむらのオリジナルの作品であり、これを書くためにきむらはかなりのエネルギーを投入しています。(ギターを買ってレッスンに行くなど、出費もしてますなぁ(笑))
この一年、睡眠不足で常にボーッとしているのも、家の中が絶望的に汚いのも、食事の質がガタ落ちしたのも、すべてこの小説を書いているせいだと言っていいでしょう。
ここまで頑張っているのに「お、いただきっ♪」と、第3者にあっさりコピペされたり、名前や設定をちょこっと変えて、いろいろな形で再利用されたらたまりません。
きむらが住んでいるオーストラリアは幸いなことに(?)日本以上に訴訟が盛んな国で、弁護士の数も日本と比べものにならないくらい多いです。ですから、万が一、第3者がきむらの作品の無断転載や盗作・改作を行った場合はきむらは弁護士を立てて徹底抗戦する覚悟と準備があります。(もちろん、好んでこういうことをしようとは思ってませんけどね)
ですから、そのような考えは絶対に起こさないで下さい。お願いします。

ああ、あと。ネタばらしもご遠慮ください。
それから、きむらへの質問は出来る限りお答えしますが、内容によってはお答えできないものもあるかもしれませんので、予めお詫びしておきます。


まあ、以上のような理由と要望から第2章以降は「非公開ブログ」にして、ある程度の制限を設けたいと思います。どうかご了承ください。

アクセス方法は、きむらのブログに「鍵付きコメント」で
「提示された閲覧条件(上に書いたものです)に従い、第2部以降の閲覧を希望します」という意思表示と共にメールマガジンの送付先となるご自身のメールアドレス(フリーメールでもいいですよ)を知らせていただくシステムにします。


現在時点では、第2部以降はメールマガジンという形にしようと思ってますが、やってみて大変そうであれば、非公開ブログにするかもしれません。(もし公開方法を変える場合は予め連絡しますね)
アクセス手続きは1回だけです。そして、きむらは絶対にみなさんから送付いただいたメールアドレスを公表したり、他の用途に転用したりはしません。(IT関係弱いですし、どんな用途に使うかも思いつかないくらいですから)
あと。小説についての感想は強制しませんので、ご安心を。まあ、読んでいるかたがどう思ってるか知りたいのはやまやまですが、感想文が苦手なかたも多いでしょうし(笑)
・・・1行ぐらいでもあったら、うれしいですけど(← しつこい)

こんなところでしょうか。

あー、終わったーっ!
真面目な文章書くのって、ほんっとーに疲れますよねっ!

さーて、おポンチネタでも書くか〜♪

(追加)2014年8月20日
諸事情により、小説の続きの掲載とメールマガジンの送付を休止し、新規の受け付けも停止いたします。どうかご了承ください。

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by kaoru_oishi | 2005-01-28 07:45 | 第2部以降の小説閲覧
2004年 07月 14日
特別企画 イルザ描いてもらお!
イルザ登場!(第2部第13章より)

ええと、これは、nicoさんにThe Delicious Boyの他のキャラクターを描いていただくという企画です。登場人物はそれこそ書いているこちらにも把握しきれないくらいたくさんいますが、中でもリクエストの多かった(?)「イルザ」でいってみることにしました。企画の主旨はnicoさんのほうに書いてありますので、こちらはイルザの登場シーンをアップすることで、文章イメージを提供いたします。第13章は一応、出来上がってますが、まだまだ直すべき点が残っていますので、どうかご了承ください。(特に英語のパートは信じないように!)

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「えっ」
 入り口に立つ人物を見て、タクミがイスから腰を浮かせた。
「イルザ!?」
「さすがタクミくんはファッションに詳しいですね」
 橋本が感心したように言った。
「すごいっ。本物だーっ!」
 タクミは立ち上がって歓声を上げた。
 女は無言でタクミの見返した。
 女は背が高く、ブロンドの髪を高く結い上げている。年齢はよく分からないが、見た感じでは二十代前半ぐらいである。サーモンピンクの襟なしジャケットとミニスカートのスーツを着てローヒールの白いパンプスを履いている。
(モデルなんだから、シャネル風じゃなくて、きっとシャネルのスーツなのよね)
 藤崎はそう思いながら、無意識にイスに座り直し、テーブルの下からなるべく自分の足が見えないようにした。普段、会社のミーティングではプロフェッショナルらしく見えるようスーツを着ることにしているのだが、今日に限ってはパンツスーツにしていた。昨日の山歩きがたたって筋肉痛を起こしたのが理由だが、スカートでなくてよかったとイルザの足を見ながら思った。
(なんて細い足。私の半分ぐらいじゃないかしら)
「イルザはヴェルサーチやドルチェ&ガッバーナ、ディオールなどのファッションショーに出たほか、「ヴォーグ」「フェイス」「ハーパーズ・バザール」といった雑誌のカバーやランコムのモデルとしても知られています」
 イルザと呼ばれた女は橋本が彼女の経歴について説明する間も我関せずといった態度で室内を見回したり、ニュームーンのメンバーたちを一人ひとりじっくり見たりしている。
「おおお、デルモだぁ」ケンゴが小声でつぶやいた。
「すげえな」カツユキは大きく目を開けている。すっかり眠気が飛んだらしい。
 谷田はメンバーに向かって笑いかけた。
「これが「ピクシー」の隠し球だ。どう、すごいだろう?スーパーモデルと共演だよ。えっと‥エルザだよね?」
'Ilse!(イルザ!)'
 女は鋭い声で発音を直した。この瞬間だけはイスにはまり込んで全身ゲル状になっていた谷田もしゃんと背筋を伸ばした。
「気をつけて。彼女は日本語が分からないぶん、逆に集中して音を聞いているんです」
 橋本が素早く一同の顔を見渡して言った。その様子はモデルエージェンシーの代表というよりは猛獣使いが観客に注意を呼びかけているのに近い。
「で、ショーではこのイルザとの絡みの部分を「ピクシー」のビデオクリップとして撮影します」
「からみ?」
 ショーのメディア向けプレスキットに目を通していた藤崎が顔を上げた。
「あの、具体的にはどういうことでしょうか」
 橋本はイルザの視線に怯えるように目を逸らしながら答えた。
「つまりですね、ここは、まあ、ニュームーンさんたちが曲を演奏している間にイルザに好きなように動いてもらう、ということで」
「じゃあ、特に振り付けや演技はない、ということですね?」
「まあ、そうなります。でも、イルザもプロのモデルですから、どう動けば一番きれいに見えるかよく承知しています。「ピクシー」の歌詞はもう彼女に渡してありますし、曲の通り、いたずらな妖精として、ニュームーンさんにちょっかいを出すことになると思います。‥じゃ、イルザ、」
 橋本は途中から英語に切り替えた。
'.....They are New Moon, they are going to play music at Michio Nakagawa's show.'
 藤崎に促されてメンバーも立ち上がった。
 マサルがテーブルの向こうからイルザに向かって笑顔で手を振った。
'Hello, nice to meet you.'
'Huh.'
 イルザはにっこりと微笑む代わりにあごを反らせて薄い琥珀色の瞳を下目使いにしてメンバーを見、赤く塗った豊かな唇を四角く突き出した。白い歯が唇の間からのぞく。それは牙を剥いたヒョウを思わせた。
「ぁ」
 次の瞬間、カツユキ、ケンゴ、マサルの三人が電気でも通されたかのように体を折り、ほとんど同時にどさりとイスに尻を落とした。
「やっぱり若い子は反応が早いな。いいよ、座ったままでいなさい」
 谷田は含み笑いをすると、指先で眼鏡のレンズをこすった。
「Pixyじゃなくて、Femme fataleを呼んじゃったんじゃありません?‥‥でも、さすがのイルザの魅力もメンバー全部には効かなかったみたいですわね」
 藤崎は自分の横を見やった。
 顔を赤くして座っている三人の横でタクミと薫が立ったままイルザを見ている。
「すごく赤いリップカラーだよね。あれもやっぱりランコムかな?ね、どう思う、カオル?」
「さあ」

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(追加)2006年8月2日(水)
・・・とまあ、こういう企画だったのですが、その後 nico さんのブログから The Delicious Boy 関連のイラスト類・コメントが全て撤去されたので、今はこうして文章だけが残っています。
いつの日か、nico さんの素敵なイラストと洒脱なエッセイが復活したらいいな。
きむらはそう思っています。

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by kaoru_oishi | 2004-07-14 20:52 | 第2部以降の小説閲覧