2014年 12月 16日
Echoes
どうも。きむらです。

何と言ったらいいのやら。
シドニーのマーティンプレイスのカフェで起こった立てこもり事件が終結した朝です。

まず最初にはっきり書いておきたいのは、シドニーは平穏を取り戻そうとしていることです。
これから観光で来る予定のかたも、どうか安心してシドニーのクリスマス、シドニーの夏をエンジョイしてください。

きっと、ニュース等で情報はじゅうぶん伝わっていると思いますので、ここでは、きむらときむら家が経験した昨日・今朝の出来事を身バレしない程度で書いておこうと思います。

普通のシドニーの住人に事件がどのような形で影響したか。


昨日の昼前。
きむらは家でだら〜っとコーヒーを飲んでおりました。
すると、きむら子供(上)から電話が。

「何、やってんの!? 今、授業中じゃないのっ!?」
捕捉しておきますと、学校は今週末から夏休みなので、ほとんど遊びの授業と化していたりします。

「シティのカフェで事件が起きてるって、ダディが知らせてくれた」
「えっ!?」

きむら、ネットで日本のニュースをチェックしていたので、全然知りませんでした。
そこでテレビを点け、画面を見て絶句。

何と、見なれた場所がテレビにバーンっと。

「リンツ・カフェって……チャンネル7のスタジオのド真ん前じゃん……」

Lindt Caféの名前で知られるリンツ・チョコレートの直営カフェで立てこもり事件が起こっておりました。

ちなみに。
チャンネル7の入っているビルには日本領事館もあったりします。

まあ、そこまでなら、きむらはただのテレビの視聴者だったかもしれませんが。
今日にかぎってきむら子供(下)が学校行事でシティに行っていたのです。
それも現場から割合近い所に。

「きむら子供(下)〜〜〜〜〜っ!!」

きむら、慌てて、きむら子供(下)の携帯にメール。
返事なし。
次に、シティにオフィスがある相方(後で相方のオフィスのほうが、きむら子供(下)よりカフェの近くだったことに気づきましたが)に電話。
返事なし。

ドッと血の気が引きました。

学校行事で先生方も一緒ですので、きむら子供(下)の安否自体はそこまで心配していませんでしたが、行事が打ち切りになって避難させられている可能性もあります。
そして、もし現地解散のようなことになったら、厳重な交通規制が敷かれ電車やバスが臨時運行している状態で、果たして迷わず帰ってこれるのか。

そこから1時間ぐらいの間、テレビで事件に注目しつつ、学校にいるきむら子供(上)と膨大な量のテキストメッセージで連絡を取り合いました。

この間、ふと、きむらが最初の携帯を買ったきっかけが2001年のニューヨーク同時多発テロだったことを思い出しました。
それまでは「束縛されたくない(フフン)」と、携帯持たない派でしたが、あのときのカオスな光景を見て、緊急時にはやはり必要だと考えを変えたのでした。

そして。
新しい情報が入らずイライラがつのり、頂点に達しそうになったころ、ようやく、きむら子供(下)から連絡が。

行事が終わったので、学年ごとにバスで迂回ルートを取って帰ってくるとのこと。
学校に。
そして残りの授業をして普通どおり家に帰ってくる、と。

え。
こんな事態でもスケジュール変えないんだ!?
我が子の無事に安心するとともに、ちょっとビックリしました。

そして後で聞いたのですが。
きむら子供(下)が学校で一番最初に事件に気づいたそうです。
相方からの携帯メッセージで。
ですが、先生に『立てこもり事件が起こっています』と知らせたものの『ここは安全だから、行事が終わるまで黙ってなさい』と言われたそうな(汗)
それから。
事件を知って行事の最中に建物に乗り込んで子供を連れて帰ろうとした父兄もいたそうですが、許可しなかったとか。

学校、ツエエエ〜ッ!

かたや、同じく音信不通だった相方とも連絡が取れました。
こちらは会議中だったとか。
きむら、デスクと携帯(相方は2つ持ちです)に何度も電話したんですよっ!
あんまり応答がないので、一時は「もしかしてカフェで人質になってるとか!?」と思ったくらいで(滝汗)
なのに、シティが戒厳令みたいになっていて仕事どころじゃなさそうなときに、避難もせず長〜い会議をし続けていたなんて。

会社も、ツエエエ〜ッ!

そして。

いろいろあって疲れ果てたきむら子供(下)、一日学校にいたものの勉強どころじゃなかったきむら子供(上)、そして相方の順番で帰宅し、きむら家はいつもどおりになりました。

が。
何と翌日(火曜日)は、今度はきむら子供(上)が学校行事でシティに行くことになっていまして。

しかし、学校はその時点で立てこもり事件が終結していなかったのに「予定通り行うので時間どおり来るように」とメールを送ってきました。
きむら子供(上)は「明日行きたくないよぉ」と半泣きになっていますが、行事でパフォーマンスをすることになっているので休めません。

ニュースの報道でこの事件は単独犯によるものらしいと分かりましたが、それでも「他の場所に爆発物も仕掛けた」と言っているので、それがクリアになるまで、とてもきむら子供(上)や相方をシティに送り出す気にはなれないです。

なので、もし学校が決定を覆して行事を中止にしたら真っ先に知らせる約束で、夜に強いきむらが起き続けてニュースチェックをすることにしました。

ですが。
昼からハイテンションでいたことと、特に超高速でテキストメッセージを送ったせいか、1時すぎた辺りから急に眠気がひどくなりました。

なので、犯人の名前が公表され、彼が宗教と難民を理由にマスコミ向けにデモンストレーションを繰り返してきた犯罪者と分かったところで、立てこもり事件のゆくえは気になるものの、テロの可能性はないと判断して寝ました。

そして。

朝、相方に「事件は終結した」と知らされて飛び起きたところです。

どうやら、きむらが寝たすぐ後に、人質のうち7人がカフェから逃げ出した直後に犯人が店内で発砲し、それを機に狙撃隊が突入して犯人を射殺したようです。

そして、その際に人質のうち2人が死亡したとのこと。

きむら、寝る前に「ネゴシエーターの説得が続いているし、犯人が投降して終わるだろうな」と思っていたのですが。


何というか、ショックです。
そして複雑な心境です。

事件が集結し、安心して相方ときむら子供(上)をシティに送り出せたのはいいことですが、犠牲者は出ましたし、この事件がシドニーに落とした影の大きさを思うと暗澹たる気持ちになります。

13年前、ニューヨーク同時多発テロが起きた直後、イラン系の女性と話しているときに彼女が突然泣きだしたことがありました。
『こわいの。これで、もしみんなが私を敵視するようになったらと思うと』
立場上、一緒に泣いてあげることはできませんでしたが、抱きしめてなだめている間に聞いた彼女の悲痛な声は今も覚えています。

今、豪州にいる多くのムスリムの人たちが、あのときの彼女と同じように不安な気持ちでいるのではないかと思います。

在豪のムスリムの団体のほとんどが今回の犯人と関係がないと声明を出していますし、犯人が過去にやってきた奇矯な「パフォーマンス」や犯罪歴(嫌疑含む)を見れば、犯行が宗教や彼が受けたという政治的弾圧(?)が引き金になったのではないことは明白ですが、自分自身でシーク(Sheik、賢人)と名乗り敬虔なムスリムをアピールしていたため、今回の事件が豪州の極右勢力を刺激することは間違いないでしょう。

I’ll ride with you

これが今、twitterで一番流れているハッシュタグだそうです。

意味は「(電車やバスで)私が一緒に乗ってるよ(だから安心して)」

「この事件が起きたからってムスリムを差別しないからね」という強いメッセージです。

きむらはtwitter持ってない派(← 単に文明が遅れてるだけ?)なので、このムーブメントに乗りませんが、心の中で賛同しつつ、自分ができるささやかなサポートをします。

今年のクリスマスの贈答用チョコレートはLindtにして、シドニーのシティの速やかな復興を祈りたいと思います。
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by kaoru_oishi | 2014-12-16 08:31 | その他もろもろ


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