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2013年 07月 19日
オーストラリアをなめてもらっちゃ困る(笑)
どうも。きむらです。
シドニーはここ2日ほど最高気温が23度まで上がり、ちょっと春っぽい感じです。
ま、でも、天気予報ではまた寒くなると言ってますが(がっくり)

話変わって。
春(日本の)ごろにネットに「京都アニメーションの水泳男子のCMがヤバい」という話題が上がりましたが、何となく気になっているうちに、誰か(多分外国のかた)が「水泳男子のアニメを作って」と嘆願書運動を始め、あれよあれよという間に目標数の嘆願書が
集まり、そのすぐ後に、あたかも嘆願書運動に応えるかのようなタイミングで「夏アニメとして放送決定」となりました。

きむらは嘆願書は出さなかったものの、運動サイトを覗いて出した人々の国籍の多彩さに度肝を抜かれておりました。ちゃんと統計は取っていなかったのですが、確か30カ国はあったのではないかと記憶してます。地域ではアフリカもカバーしてましたし、イスラム系の国からのエントリーもありましたので、
「アニメ、すげー」
と、独りで胸を熱くしながら、英文の嘆願書のメッセージに目を通しておりました。

そして、今月になっていよいよ放送が始まりました。

現在のところ、国内放送だけだと思うのですが、やはり世界中で観る人は観ているようで、番組用のフォーラムのスレッドが立ち、キャラクターだの設定だのについて熱く語られています。そして中には Fan Dub(ファンがそれぞれの言語で吹き替えたもの)まで YouTube に上がっていて、そのクオリティがかなり高くてビックリします。
(きむらのおススメは英語による第1話の2分程度の吹き替え。特に「渚」の声をあてた人が声質も喋り方もそっくりで、英語版を作るならこの人にやってもらえばいいんじゃないかと思ったくらいです)

が、しかし。
ストーリーが進み、
「主要キャラの一人が水泳留学でオーストラリアに行っていた」
という事実が明るみに出たところで、
「おい、ちょっと待てーっ!」
と、手を上げたくなりました。

(正直な話「水泳男子のアニメ」と聞いて、
「国際大会のエピソードとかあって、そこにイアン・ソープやマイケル・フェルプスのそっくりさんが出て来たりするんでないの?」
なんて、ちょっぴり期待はしてました(笑))

ええと、シドニー在住ン十年の経験から言わせてもらいますと、

  1.子供単独の留学はかーなーり難しいと思う
  高校生ぐらいからならOKなようですが、果たして中学1年から一人で留学が可能か
  どうか。
  きむら子供のクラスメートでアジアの国から「将来のために」と、小学校の低学年か
  ら来ている子供がいましたが、その場合は親自身が留学生となって学生ビザを取り、
  子供を同伴者として連れて来ていました。そして別の中学生の子の場合は、こちらで
  身元保証人を立てていたようですが、普通の学校に通い、放課後や空いている時間に
  その「留学目的の活動」をしていたようです。
  つまり「行き当たりばったりにホームステイでもしながら水泳を専門に学ぶ」という
  のはほとんど無理だということです。しかも、留学生は自国の学生より多く学費を払
  わなければなりませんので、あの設定なら「凛くんの家は超お金持ち!」でなければ
  ならない、と。
  ま、バーバリーっぽいマフラー巻いたりしてましたし、そうかもしれませんが。

  2.こっちはプールがない学校が多い!
  これを知ったら日本の人はたいがい驚くだろうと思います。ですが事実なのです。
  学費が高い私立の学校はともかくとして、シドニーの、きむらが住んでいる辺りの公
  立の学校は、当たり前に「プールなし」です。
  では、どこで泳ぐかというと、公営のプールを数レーン分借りたり、どう話をつけて
  いるかは知りませんが、私立の学校のプールを使わせてもらったりしています。
  しかし、それでも夏場のピークなどはかち合ってなかなか使えない場合もあります。
  そんなときはどうするか。
  何と、海で水泳の授業をします。
  それも、ボンダイとかいった監視員がいるような立派なビーチでなく、本当に「その
  辺の海」で。
  きむら子供などは、よほど運が悪かったのか、1学期分まるまる「海で水泳の授業」
  なんてこともありました。
  そんなですから、もし「凛」がシドニーの公立学校に留学していたら「公営プールで
  ローカルのお年寄り相手に白熱の競泳」とか「その辺の海で練習して、海パンが砂だ
  らけになり、何かゴミを踏んづけて足の裏を負傷」なんてことになっていたでしょ
  う。
  ・・・ああ、そのせいで性格がゆがんでしまったという設定か(汗)

  3.スポーツエリートはキャンベラを目指す
  一般にオーストラリア人はフィジカルが優れていると言われていますが、さすがにそ
  れだけでは各種大会で活躍出来ません。
  オーストラリアの首都キャンベラにそういったスポーツに秀でた人たちを集め育成す
  る Australian Institute of Sport という機関があり、水泳は1981年の設立当初から
  の主要スポーツの1つです。
  なので、本当に才能があり、真剣に将来オリンピック出場を目指している人は早い時
  期からキャンベラに移り住んで AIS 入りに備える、なんてこともあります。
  以前、ロシアの水泳選手が AIS でトレーニングをしているニュースを見たことがある
  ので、豪国人以外が施設を利用することはできるのだろうと思いますが、果たして
  「凛」ぐらいのレベルの中学生が受け入れられるかどうかは分かりません。AIS です
  と恐らく国家間の取り決めが必要でしょうから、これは普通の留学より更に難易度が
  高いのは間違いないですね。

まあ、古くは「エースをねらえ!」のころからオーストラリアはスポーツの国として出て来ますが、どうせ名前を出すなら、しっかりリアルに描いてほしいです。

例えばこんな感じで。
「主人公七瀬遙のライバル松岡凛は、小学校卒業後、家族と一緒に豪州に移住した。しかし遙たちには「将来オリンピックに出る」とブっこいたものの、編入したシドニーの公立学校にはプールがなく、水泳の授業といえば公営プールの隅っこで缶詰の中のイワシ状になって泳ぐか、その辺の海に浸って海パンを砂でジャリジャリにするぐらい。そのため凛は次第にホームシック、特に遥への想いをつのらせ、ついには両親を豪州に残して妹と二人で日本に戻って来てしまった(そして自分は高校で寮生活、妹は祖父母と同居)」
みたいな?

これなら、現地の人も納得出来るいかにもなストーリーになると思います。
「留学」という言葉に付いてくるロマンの香りは片鱗もなくなっちゃいますが(笑)


(蛇足)
きむらが小学生のころ行っていたプールは、日本なのになぜか長さがメートルではなくヤードで表示されていました。
ですから、いつも泳ぎながら
「えっと、何メートル泳いだんだっけ?」
と換算しなければならなくて大変でした。
何も考えず、ただ泳いでいればよかったんでしょうけど、小学生というのは「こんだけ泳いだ」を自慢したい年頃真っ盛りなので、足がつったり半ば溺れかけながらでも換算しちゃうんですよね。
泳ぐと疲れるから頭は回転しなくなる上に、もともと計算は弱いし、いつも最後に水から出るころには頭も体も極限まで来て、でろんでろんの状態でした。
ですが。
そんなになっても、翌日、また行くんですよね、プールに(笑)


(蛇足の蛇足)2013年7月19日(金)
今回の記事を書くにあたり「そういや、どんないきさつでオーストラリアが出て来たんだっけか?」と「エースをねらえ!」についてちょっと検索してみました。

そこで初めて知った驚愕の事実。

ちょっと。
「主人公岡ひろみをスパルタ指導(今の時代だったら刑事問題になってたかもレベル)しつつ、恋愛感情がほにゃらかほにゃらなってきたところで悲劇に襲われた」コーチの宗方仁というキャラクターがいるのですが、

27歳でした。

あんだけエラそうにしてたのに、
そんなに若造だったのかよ〜〜〜〜〜っ!!

「ベルばらでオスカルが恋人と初めて結ばれたと思われる年齢」を計算して出したときとは逆ベクトルのショックです〜。

by kaoru_oishi | 2013-07-19 00:41 | クールジャパン


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